みなさま、こんにちは。

川口市 南鳩ヶ谷駅エリアにある、はとり歯科医院です。

ご自身の歯を鏡に映してみたときに、歯の表面がポツっと白くなっている箇所はありませんか？　それはもしかしたら「脱灰」の状態かもしれません。脱灰はむし歯になる寸前のサインです。

実は、私たちが食事をするたびごとに歯の表面では脱灰という現象が起きています。
歯垢(プラーク)の中にいるむし歯菌が、お口から取り込んだ食物に含まれる糖分を元に「酸」を作り出します。そして酸によって歯の表面からエナメル質が溶け出た部分が白く濁り、光沢を失っていきます。この現象が「脱灰」です。

脱灰は「初期むし歯」の段階にあたります。初期むし歯は、特に治療の必要がなく、毎日のケア次第で元の健康な状態に回復できる可能性がある段階です。
ところが、初期むし歯は痛みなどの自覚症状がなく、健康な歯とそれほど変わらない外見なので、つい見逃してしまいがち。しかも食事時間の長さや間食の回数が影響してお口の中に食物がとどまる時間が長いと、脱灰の現象もそのたびに起きてしまいます。すると自然治癒する力が追い付かず、治療が必要な段階へとむし歯は進行していきます。

脱灰しても歯は元の健康な状態に回復する力があるとお話ししましたが、その仕組みはこうです。
食事後、細菌が作る酸によってお口の中は酸性に傾きますが、唾液の働きで中性に戻ります。するとエナメル質が溶け出た歯の表面には、唾液中のカルシウムやリンが取り込まれ、歯の表面を元の状態に戻していきます。この現象を「再石灰化」といいます。
つまり、初期むし歯の自然治癒力を促すためには、歯の再石灰化がきちんと行われるお口の環境づくりが大切なことがわかります。
そこで積極的に活用したいのが再石灰化を効果的に促進する「フッ素」です。フッ素には再石灰化の促進作用のほかに、細菌が作り出す酸の量を抑制する効果や酸に溶けにくい歯の質へ強化する作用があるので、歯科医院ではむし歯予防のためにフッ素を塗布する治療を行っています。

初期むし歯のケアに非常に有効なフッ素。歯科医院でのフッ素塗布はもちろん、市販のフッ素入りの歯磨き剤などを毎日のセルフケアに取り入れて、積極的に初期むし歯対策に取り組みましょう。